誤認逮捕、2日間勾留 伊勢佐木署、目撃証言をうのみか

  神奈川新聞(2017年9月2日(土) )によると、伊勢佐木署は、飲食店の看板を壊した器物損壊容疑で、川崎市宮前区の男性会社員(22)を誤認逮捕し、2日間勾留したという。また同署は同日、男性の勤め先の先輩にあたる男性会社員(24)=東京都中野区=を同容疑で書類送検した。先輩男性は「間違いない」と容疑を認めているという。

 同署によると、7月11日午後9時45分ごろ、横浜市中区野毛町1丁目の路上で、飲食店の看板が壊される事件が発生。同署が現場近くにいた先輩男性に事情を聴くと「一緒にいた後輩がやった」と説明し、目撃した女性の証言とも一致したため、約1時間半後に男性を緊急逮捕した。

 男性は「自分は関係していない。先輩が看板を蹴った」と容疑を否認したが、同署は13日に横浜区検に送検。裁判所が同日に勾留請求を却下したため、逮捕から約40時間後に釈放した。その後、裏付けを進めたところ、防犯カメラに先輩男性が看板を蹴り倒す姿が写っていることが判明、誤認逮捕が発覚した。

 目撃証言をうのみしたことが原因とみられ、同署幹部は8月31日に男性に謝罪した。同署の飯高一之副署長は「所要の捜査を徹底すべきだった。誠に遺憾で関係した方におわび申し上げる。再発防止に努めたい」と話した。


誤認逮捕について、警察は謝罪をしたわけだが、賠償等はどうなるのだろうか。このことについて、詳しく述べている記事があったので、以下紹介したい。

記事タイトル:誤認逮捕・その後の補償は?

伊藤和子弁護士、国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ副理事長

2012/10/21(日) 21:24

PC遠隔操作事件で、神奈川県警は誤認逮捕を認めて、保護観察処分を受けた少年に謝罪したという。http://jp.wsj.com/Japan/node_533358

ただ謝罪をすればよいというわけではないだろうから、今後どう補償するかが問題となる。

少年補償法によれば、刑事補償法に準じて拘束された日数に応じて補償がなされる。

しかし、保護観察処分は拘束を伴わないわけであるから、処分前の身体拘束だけが補償対象となるにとどまる。以前、2003年に東京で発生した誤認逮捕事件を担当したことがあるが、この際は警視庁が誤認逮捕の被害に遭った女性の自宅に訪れて謝罪、その後、100万円を東京都が被害者に賠償金として支払うことで示談が成立した。

こちらの請求金額満額であった。この件は、私と都知事の石原慎太郎氏の間で示談書も取り交わしている。もちろん大変画期的なことであるが、その時に感じた疑問は「このような不起訴事案・誤認逮捕はやまほどあるというのに、なぜこの事件だけこのような示談になったのか」ということである。弁護士の活動で誤認逮捕を明らかにし、不起訴に持ち込む事件は多々あるが、警視庁と示談をしたのはこの一件だけである。

私が弁護人として不起訴を勝ち取った事件の中には、被疑者補償という手続により、補償金が認められたケースもあるが、この規程も拘束一日当たり1000円から12,500円という少額なものであり、さきほどの金100万円とは大きな開きがある。誤認逮捕という部類ではないものの、昨年、墜落出産により子どもが死産となった件で出産した女性を殺人罪で東京地検が逮捕するという案件があった。この案件もとんでもないえん罪であるから、がんばって不起訴を勝ち取ったのであるが、東京地検はその後、不起訴裁定書すら公開せず、被疑者補償規程に基づく補償も、何の理由も示さないまま行わなかった。えん罪・誤認逮捕は日々行われているが、たまたま明るみに出て、メディアで騒がれた氷山の一角のような事件のみ、迅速で相当な補償がなされ、そうでない事件はそのまま、謝罪すらない。誠に恣意的に運用されている、というのが実務家としての率直な感想であり、改善を望む。もちろん、以前経験した誤認逮捕事件同様、相当な補償がすべての被害者に対してなされるべきである。

以上、誤認逮捕に関する投稿記事を紹介した。このように以前から相当な補償がされるべきという意見が挙がっている。誤認逮捕は仕方が状況によって仕方ないこともあるだろうが、その補償について議論がなされることを期待する。


ネットニュース 逮捕されていた厚木東高校の教師・藤本真司は不起訴。(不起訴・無罪・冤罪・誤認逮捕)

厚木東高校の教師・藤本真司を横浜地検は不起訴にした。女性を触ったとして逮捕されが、当初より容疑を否認しており、主張が通った可能性。不起訴(無罪・冤罪・誤認逮捕)。ネットの話題を共有するサイト(芸能・ドラマ・映画・ファッション・犯罪・逮捕・事件・音楽・高校・先生など)

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